2012年5月20日日曜日

小児肥満症 - 徳島県医師会 公式ホームページ


【質問】 息子の「肥満度」高いが…

 小学2年生の息子が、学校から健康診断結果を持って帰りました。診断によると、肥満度は50%で「二次指定医療機関の受診をお勧めします」とありました。私が太っているせいか息子も少しぽっちゃりしています。肥満は遺伝するのでしょうか。確かに、遊びに来ている他の子どもと比べてみても、食べる量は多いです。また、よく眠ります。これは病気なのでしょうか。二次指定医療機関の受診とはどういうことでしょうか。

【答え】 小児肥満症 −合併症の有無検査を−

徳島赤十字病院 小児科 中津 忠則


英語の子供の上昇肥満

 近年、肥満傾向の子どもの数が大変多くなってきており、特に徳島県では全国平均をかなり上回っている状況にあります。子どものころの肥満は、大人になっても肥満になりやすいこと、生活習慣病の要因の一つであること、子どもでも他の病気を伴っていることが多いこと−などがはっきりしてきました。

 これらのことや徳島県が糖尿病による死亡率が全国1を続けていることなどから、子どもの肥満の予防や解消に取り組むことになりました。その一環として、2003年度から小児肥満の健康管理システムが県内で導入されています。


ケーススタディ高齢者のうつ病

 これは小中学校の健康診断で測定する身長、体重から肥満度を算出し、50%以上の子どもと、50%未満でも希望する子どもに、指定医療機関で二次検診を受けてもらうというものです。二次検診では肥満に伴う病気がないかどうかの検査を行い、肥満解消のための食事、運動、生活指導などを行います。質問の息子さんも小児肥満の健康管理システムにより、二次検診を勧められたものです。

 肥満とは、体内に過剰な脂肪が蓄積している状態のことで、遺伝的素因と食事・運動・生活習慣などの環境因子が関係します。親子の間では、遺伝と環境のいずれも密接に関係していますので、ともに肥満傾向のことが多いわけです。


クイーンズランド州の発熱

 息子さんの肥満は病気なのかという質問ですが、肥満に伴って高血圧、糖尿病、脂肪肝、高脂血症などの健康障害があり、肥満を軽減してこれらの合併症を治療する必要がある場合、医学的には小児肥満症としています。実際に検査をすると、子どもにこれらの合併症が多いことに驚かされます。特に肥満度50%以上の高度肥満の子どもでは非常に高い割合で伴っていますので、是非とも医療機関で診断を受けることをお勧めします。


 ご質問の息子さんは友達と遊び、しっかり食べてよく眠っていますので、子どもらしい良い生活習慣と推測されます。一般的に肥満の解消には食事療法が最も大切ですが、子どもの成長・発達を妨げないように、バランス良く栄養を取りながら、エネルギー量を抑えることがポイントです。また、運動療法は日常生活の中で歩くことを基本とし、毎日楽しくできる、子どもの好きな運動を取り入れます。

 食事・運動ともに家族ぐるみで取り組むことが大切です。これらの肥満解消法についても、二次医療機関で指導してもらえます。

徳島新聞2007年6月3日号より転載




These are our most popular posts:

小児肥満を中心とした生活習慣病予防について

Ⅰ.子どもの肥満症の正しい理解; Ⅱ.子どもの肥満症の治療とケア; Ⅲ.子どもの肥満 症と合併症; Ⅳ.子どもの肥満症の予防 ... 小児の肥満においては、ライフステージを 縦糸に、肥満の程度を横糸に見立てて、それぞれの肥満児に対処していくことが大切で ある。 .... 運動療法には、エネルギー消費量の増大、安静時基礎代謝の増大,除脂肪 体重の維持、高脂血症・高血圧の改善、ストレス緩和、体力や心肺能力の向上など肥満 症を ... read more

小児肥満症の診断基準

乳児期の肥満は必ずしも成人肥満に移行しないと考えられますが、 3歳児の肥満度は、 20歳の肥満度と強く関連するとされています。 幼児期、学童期の肥満は若年期、成人 肥満に移行する可能性が高く、肥満対策は学童期以前から必要です。 小児肥満症の ... read more

小児肥満症とは?小児肥満症

肥満症になると、運動しづらくなるだけでなく、小児生活習慣病の原因にもなるため、 早期の治療が必要です。 原因としては、食べすぎや、 ... 体重の増加が著しい場合は 食事療法、運動療法、心理療法などを組み合わせて行うと効果的です。 スポンサー ドリンク ... read more

小児肥満について - むらしたこどもクリニック

診察では体重・身長・腹囲・血圧などを測定し、皮膚線条や皮膚の色なども診察します。 小児肥満症の診断基準や小児肥満症診断スコアーをつけます。採血で、糖・脂質・尿酸 ・肝臓の機能などの検査をします。必要に応じて、糖尿病の検査や腹部CT・エコー検査 ... read more

Related Posts



0 コメント:

コメントを投稿