2012年5月15日火曜日

大阪大学大学院医学系研究科 第四研究室


ごあいさつ

第4研究室のホームページへようこそ

  第4研究室は、現日本生命済生会付属日生病院副院長の笠山宗正先生が指導されていた内分泌代謝研究室と現内分泌・代謝内科学教授の下村伊一郎先生が指導されていた病態研究室が、発展的に統合する形で2009年4月に設立された研究室です。

  内分泌代謝研究室は、1962年に山村雄一先生により「がん、免疫、代謝」の研究にふさわしい研究室として誕生しました。当時は熊谷朗先生を中心に、ステロイドホルモン、下垂体ホルモンを中心とした内分泌・代謝研究が活発に展開されました。研究室は、その後矢野三郎先生、森本靖彦先生へと引き継がれ、ステロイドホルモン受容体を中心とする分子内分泌研究の潮流が築かれました。佐藤文三先生が研究室チーフとなった後、ホルモン依存性癌増殖の分子機構に関する研究も活発に展開しました。研究室チーフは、古賀正史先生、笠山宗正先生へと引き継がれ、核内受容体による炎症制御機構、膵β細胞再生、ステロイドホルモン・成長ホルモンと糖尿病・心血管疾患の関わりについての基礎的・臨床的研究が展開されてきました。< /p>

子供、潜在的うつ病のストレス

  病態研究室は、2002年に下村伊一郎先生が第三代病理病態学教授として着任され、誕生しました。以後2005年に内分泌・代謝内科学の一員となり、病態研究室として肥満脂肪組織の病態に関する研究と、善玉サイトカインであるアディポネクチンについての研究を行ってきています。病理病態学は、私が入局時の教授であった第14代大阪大学総長である岸本忠三先生が初代教授をされた講座であり、第4研究室としてそのグループを率いることになったことに運命的なものを感じています。

  山村雄一先生が、教授就任の際に提示された、「がん、免疫、代謝」というキーワードは、現在の医療、医学を考える上でさらに重要性を増しているテーマであると考えます。当研究室としては内分泌・代謝疾患を、古典的な内分泌腺の疾患として捉えるだけでなく、がん、免疫、代謝に起因する疾病のメカニズム解明および新しい治療法の開発につながる手がかりを提供してくれる病態として捉え、臨床、研究を行っていきたいと考えています。


大腸菌疝痛

  2010年NHKによりハーバード白熱教室という番組が放映されました。ハーバード大学の政治哲学のマイケル・サンデル教授の人気授業である「Justice(正義)」の授業を公開したものです。授業内容はもちろん、ソクラテス方式と言われる教授、学生とのディスカッションがとてもすばらしく、新鮮でした。分野は異なりますが、我々も万人に評価される臨床・研究・教育を行うように日々努力していきたいと考えています。ひとりでも多くの方に興味をもっていただき、一緒に仕事ができればと考えております。よろしくお願い申し上げます。

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研究内容紹介

 我々は、肥満脂肪組織の病態と善玉サイトカインであるアディポネクチンについての研究と先端巨大症・下垂体機能低下症の内臓脂肪量変化の意義および代謝・心血管疾患への研究を基礎・臨床研究の中心として活動しています。


であるマラリアや黄熱病同じ

@ 肥満脂肪組織の病態に関する研究

 肥満脂肪組織では炎症性サイトカインの産生が上昇し、悪玉脂肪細胞の性質を作り上げる。我々はこれまで、この肥満脂肪細胞の炎症の上流に、脂肪組織酸化ストレス(Fat ROS)、脂肪組織低酸素(Fat Hypoxia)、低アディポネクチン状態、ニトロ化ストレスが位置することを明らかにしている。またこれらの肥満脂肪組織の炎症を改善させる手段としてPPARγアゴニストがアディポネクチンの転写増強すること、抗酸化酵素であるカタラーゼ増強を介して酸化ストレスを軽減し、脂肪組織の炎症を軽減することを報告している。また脂質異常症治療薬であるスタチンが肥満脂肪組織で活性化されたマクロファージに対して直接作用することにより、抗炎症作用を示すことも明らかにしている。現在も、肥満脂肪組織の病態の全容の解明とその病態を改善する治療戦略の確立を目標として研究を行っています。


A アディポネクチンについての研究

 これまでに我々は、アディポネクチンが関節炎や腸炎、膵炎、大腸腫瘍の発症を抑制する作用を示すこと、アディポネクチンの高発現により骨量が増加することを明らかにしました。またアディポネクチンの発現制御に転写因子PPARγとC/EBPαが重要であること、糖尿病治療薬であるアマリールは、転写因子PPARγを活性化してアディポネクチンの産生を増やすことも明らかにしています。現在は、アディポネクチンの作用機構の解明を行うと共に、内分泌疾患におけるアディポネクチンの意義について基礎的な研究を行っています。

B 先端巨大症・下垂体機能低下症の内臓脂肪の病態的意義と代謝・心血管疾患への影響

 先端巨大症も下垂体機能低下症も心血管疾患を高率に発症します。我々は、成人成長ホルモン分泌不全症患者においてメタボリックシンドロームの頻度が一般人口よりも高いことを報告してきました。しかしこのメカニズムが、過食による内臓肥満と同じであるかは明らかにされていません。その病因解明のために臨床研究「GH過剰・不足状態における内臓脂肪量変化の病態的意義の研究調査(倫理委員会承認 08116-2)」が進行中です。また基礎研究では内臓肥満の病態において重要な役割を果たしているアディポネクチンと成長ホルモン-IGF-I系の関係を明らかにするためにアディポネクチン欠損マウスを用いた検討を計画しています。

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メンバー紹介

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連絡先

大月 道夫
〒565-0871吹田市山田丘2-2 大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科
TEL:06-6879-3732 (第4研究室 3742) FAX:06-6879-3739

 大阪大学内分泌・代謝内科第4研究室は、内分泌代謝研究室の伝統であるステロイドホルモンと下垂体ホルモンを中心とした内分泌疾患診療をより充実させ、病態研究室のレベルの高い基礎研究をさらに発展させることを目標としています。内分泌疾患の診療・研究に興味のある方は、お気軽にご連絡ください。

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